まず、なんと言っても色彩。CGで彩度が高くてバリバリ動くってやつは、普通見ていて疲れるし、目がチカチカしてくるもの。でも、この映画はまったくそんなことない。絶妙な色彩のバランスがあってこそ出来るワザ。タダ単にアホみたいな色遣いでは無い証拠。もう、アートです。
CGはCGらしく、ヘンに気取らないでいるところもマル。こういうCGはすごい好き。派手でイイじゃない。マットな質感のCGアニメばかりのご時世、写り込みギンギンでアニメチックなの最高!
動きだってはちゃめちゃ。だって、アニメだし。物理法則無視でいいんです。ちょこまかジャンプしてもいいです。そして、レトロフューチャーなところも、タツノコっぽくてイイ。
ヒロインが突然運転したって、忍者が出てきたって、カンフーやったって、ケンシロウもどきが出てきたってラーメソって書いてあってもなんでもアリアリ。ギャグは単純明快でイイのです。全部ギャグ。
ストーリーはまさに王道。家族愛、八百長、企業買収、利権争い…。解りやすくてイイじゃない。
テンポも良くて、レトロな演出もありつつ、CGのカメラワークは、はっきり言って見たことの無いような完成度。そんなレースシーンが盛りだくさん。そしてなにより、全編にわたって笑えるところが多い。とにかく楽しい。単純に笑ってしまうのですよ。
…なんでこの映画がダメなのか?ほんと残念で仕方ないですが、まあ、ターゲットが解りづらいというのが唯一のそして大きな欠点なんだろうか。
映画自体は見れば本当に面白い。楽な気持ちで見るのが一番。そうすれば、この映画にてんこ盛りに入っている色々なエッセンスを素直に味わうことができると思う、素晴らしい作品です。
DVD…出る頃にはもうBlu-rayかな、絶対買いますよ!
→スピードレーサー(アニメ)
→スピードレーサー(映画)